「Accessデータベースの最適化」 操作マニュアル 
  ACCESSデータベースの最適化について

    最適化の必要性と効果

     データベースアプリケーションは、システム内での様々な動作(データやオブジュエクトの削除やコピー、保存などの処理)を実行するたびに、
     データの断片化や不要データ領域の残存などが発生するため、ファイルサイズの増大や動作パフォーマンスの低下などが起こりえます。
     たとえば、データの削除処理において、物理的な消去ではなく削除フラグが付与されるのみの場合などでこうした現象が発生します。

     ACCESS製品版では「データベースの最適化/修復」機能が標準で搭載されていますが、ランタイムモジュール環境におけるACCESSの実行時は、
     この機能が画面上から利用できません。このため本システムでは、ACCESSが内蔵するこの機能を「データベースの最適化」機能として実装しています。
     なお、製品版のACCESSがインストールされた環境においても、本システムの「データベースの最適化」機能は実行可能です。

     本機能によって、断片化したACCESSデータベースの修復処理とデータサイズの圧縮処理などを実行します。
     この結果、システムのパフォーマンスの回復やデータサイズの縮小化を行うことができます。

   ACCESSデータベースファイルの制約事項

     ・システムサイズの上限には、2GBまでという制約があります(このサイズはプログラムなど入力データ以外のサイズも含まれます)。
      ファイルサイズが1.5GBを超える場合は十分ご注意ください。

   本システムご利用規模の目安

     ・取扱いデータ件数の上限は、1データ当りのサイズによっても大きく異なりますが、全テーブルデータの合計数で、理論上30~40万件程度と推定されます。
      ただしこれは運用中、「ACCESSデータベースの最適化/修復」機能を定期的に実行し、ファイルサイズの肥大化を放置しない場合の目安です。

     ・実際の使用事例では、顧客件数2万件、商品データ件数3万件、売上明細、入出庫明細などのトランザクションデータの合計約10万件前後の環境で、
      約8年間ほぼ安定稼働しているケースがありますので、一般的な小売店業務用の管理システムとして必要十分なものと考えます。

     ・以上の点から、現実的には数年で10万件以内のデータ発生量であればその間、安定的に利用可能で、個人事業者や中小企業クラスであれば、
      実用上十分な範囲と思われます。


  Accessデータベースの最適化 プログラムの起動方法

(1)メインメニューから、「マスタ登録 メニュー」 をクリックします。





(2)「データベースの最適化」をクリックします。





起動元となるIORISシステムプログラムは一時的に自動終了し、
次項に説明する「データベース最適化処理」が起動します。

  データベースの最適化処理の起動

 「いいえ」→ 
     ↓「はい」

(1)メッセージを確認し、処理を起動します。
   ・「はい」 をクリックすると最適化処理を実行します。
   ・「いいえ」をクリックすると最適化処理をキャンセルします。


          ↓「OK」 
(2)「OK」をクリックすると
   現在起動中のIORISプログラムを終了し、
   以下の画面が起動されます。

   ※ここで起動されるプログラムは、以下のプログラムです。
     C:\IORIS\IORIS_TOOLS.accdb
   
  注)このプログラムは直接起動しないでください。




「データベースの最適化」ボタンをクリックすると、以下の流れに従って、順次確認のメッセージが表示されます。
操作時の状態を十分確認の上で、それぞれのメッセージに対する応答を行い、処理を実行してください。

  Accessデータベースの最適化処理の実行

 「いいえ」→ 
     ↓「はい」
(1)確認メッセージに応答します。
   ・「はい」 をクリックすると最適化処理を実行します。
   ・「いいえ」をクリックすると最適化処理をキャンセルします。


     ↓「OK」
(2)「OK」をクリックして一時的に

     ↓「OK」
(1)最適化処理の実行時に問題が発生した場合に備え、
   はじめにシステムのバックアップを行います。

 「いいえ」→ 
     ↓「はい」
(2)バックアップフォルダに、当日既にバックアップ済のデータが
   存在する場合は上書き確認のメッセージが表示されます。
   ・「はい」 をクリックするとバックアップを行います。
   ・「いいえ」をクリックするとバックアップをキャンセルし、
    最適化処理を中止し「データベースの最適化」
    画面に戻ります。

 
     ↓「OK」
(3)(2)で「はい」を選択後、正常に「バックアップ処理」が完了
   すると、バックアップ処理完了のメッセージが表示されます。

「いいえ」→
     ↓「はい」
(4)続いて「最適化処理」の実行確認が表示されます。
   ・「はい」 をクリックすると最適化処理を実行します。
   ・「いいえ」をクリックすると最適化処理をキャンセルし、
     最適化処理を中止し「データベースの最適化」
     画面に戻ります。



     ↓「OK」
(5)完了すると「最適化に成功」のメッセージが表示されます。

  ※エラーが発生した場合はエラーメッセージが表示されます。
    原因を調べて再実行を行ってください。

 
(7)「終了」ボタンをクリックすると、本画面を終了し、
   起動元のIORIS画面が再起動表示されます。

   ※以上で「データベースの最適化」処理の完了です。

   ※「データベースの最適化」を実行すると
     システム情報テーブルの最適化実行日が更新されます。
     なお、最適化実行日は「利用者登録画面」に表示されます。


  最適化後のファイルサイズ確認

最適化処理の実行前と実行後のAccessデータベースプログラムのサイズを比較します。実行後のサイズがより小さくなっていることを確認してください。

<実行例>

  実行前 40,960 KB



  実行後 39,432 KB


注)サイズの変化は、プログラムの使用頻度、登録済みの総データ量、実行プログラムの種類や回数などにより異なります。
   上記の実行例ではわずかな圧縮率となっていますが、一般的にファイルサイズが大きくなるほど圧縮率も大きくなります。